
韓国旅行2日目、大邱からスタートです。
この日はまず江原道の旌善へ向かい、夜にソウルに着く予定です。
東大邱6:00発のムグンファ号1672列車・江陵行(大邱線、中央線、嶺東線経由)に乗車します。


山がちな朝鮮半島東側を北上するので車窓は見応えがあり、貨物輸送がさかんなようで採石を満載した貨物列車と多くすれ違いました。

江原道に入り、東栢山で下車。駅舎は立派ですが駅前には何もありません。線路切替えによって近年開業した駅らしく、集落からは離れているようです。
ここで太白線に乗り換えます。

1時間半ほど待ち、11:50発ムグンファ号1638列車に乗車します。
江陵発ソウル・清涼里行の列車です。
機関車の次位の客車は元セマウル号(かつての特急)用が転用された車両で、中央線系統のムグンファ号に連絡されていることがあるそうです。
豪華な座席を安価で利用できる乗り得車両だとか。

太白線に入っても深い渓谷の中に点々と集落が見える景色の良い区間が続きます。
途中古汗駅にセマウル号客車を利用した喫茶店?がありました。

古汗の次の舎北駅で下車しました。
ここはかつて炭鉱の街だったそうで、ホームにバテロコと鉱車が保存されていました。
目的地の旌善方面へはさらにひとつ先のミンドゥンサン駅から「旌善線」が分岐していますが、旌善線の旅客列車は1日2往復の観光列車のみで、今回は時間が合いません。
そのため、ミンドゥンサンより街が大きそうな舎北で下車し、バスかタクシーを利用して向かおうという算段です。

舎北の街中に線路跡が残っていました。昔は鉱車が街中を走り回っていたのでしょうか。
この後無事旌善行きのバスを見つけ、まずは終点の旌善バスターミナルへ。別のバスに乗り換えて旌善線の終点アウラジ駅まで行き、さらにミニバスに乗り換え、九切里という場所まで来ました。
バスのルートや時刻はよくわからなかったのですが、乗り換えのたびに運転手やバス待ちの人が親切に教えてくれたことで順調に乗り継ぐことができました。感謝です。


九切里駅跡です。
かつてここが旌善線の終点でしたが、現在アウラジ〜九切里間は営業休止となり、その休止線を利用してレールバイクが営業しています。
九切駅跡が駐車場を併設したベース基地となっており、廃車車両を利用した売店やレストラン、宿泊施設が整備されています。

こちらは売店に改装された客車。

車内はこんな感じ。落ち着いた内装です。
お土産や飲み物を販売しているほか、軽食も供されているようです。

バッタに化けていますが…これも客車ですね。
車内はレストランとなっているようです。

こちらはDLと客室4両の宿泊施設。
DLは4200形という形式で、1967年にアメリカのEMD社及びGMC社で製造されたということです。(ウィキペディア及び現地の看板より)

客室は1両あたり2つの客室に改装されているようです。
車両自体は売店やバッタのレストランと同じタイプに見えます。

裏側のテラスに洗濯物が干されていました。現役で営業しているようですね。

"レールバイク列車"が到着しました。客車の後に何両ものレールバイクが連結されています。
アウラジまでの片道のみレールバイクを楽しんだ利用者を九切里まで戻す列車ですが、レールバイクの回送も兼ねているんですね。

再びバスに乗ってアウラジ駅に戻って来ました。
ここにもまた強烈な姿にされた車両があります。

外観はご覧の通り完全に魚にされていますが、台車や床下機器は残っており、しっかり線路に載せられています。

2両がハの字形に設置されています。この日は営業していないようですが、車内はレストランになっていました。

これにてこの日の予定は無事終了。
アウラジ17:22発の観光列車「旌善アリラン列車(A-TRAIN)」に乗車し、ソウルの清涼里駅へ向かいます。
旌善線はこのA-TRAINが2往復するのみで、一般列車はすでに全廃されています。
A-TRAINは臨時列車なので列車の運行がゼロの日もあり、完全に観光特化路線となっているようです。

A-TRAINは旌善が発祥とされる韓国の民謡アリランをテーマとした列車で、各車ごとに内装のテーマが違うようで違った雰囲気でした。

約10分で旌善駅に到着。
ホームに隣接して8000形電気機関車8017号と有蓋貨車数両が保存されていました。
8000形はフランス国鉄のBB15000形をベースとした山岳線区用機関車で、フランス譲りの"ゲンコツ形"スタイルが特徴です。

貨車は宿泊施設として利用されているようです。すでに夕方で、何組か宿泊客がいるのが見えました。

礼美駅と寧越駅の間にある石項駅(석항역)(旅客扱い休止中)の前に何両かセマウル号客車が設置されていました。やはり宿泊施設でしょうか?
一部の車両は高所に置くというダイナミックな使い方です。
定刻の21:30に清涼里に到着。この日はソウル市内のホテルに泊まり、翌日は軽く市内見物をして夕方の飛行機で帰国しました。
(訪問:2019年8月)
〜続きます〜
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