場所：京都府与謝郡与謝野町字滝941-2
行き方：福知山駅か与謝野駅から丹海バスで「SL広場西」下車徒歩5分
営業：10時～17時/大人400円、3歳～小学生200円


昭和60年に廃止された加悦鉄道車両を中心に展示する博物館です。レストランとなったり駐車場に置かれているものも含めて、27両の車両があります。
開設当初は加悦の中心街にある加悦駅跡にありましたが、用地を自治体に譲渡することになり、平成8年にニッケル鉱山の積出駅だった大江山鉱山駅跡の現在地に移転されました。

車両数が多いので、2回に分けてご紹介します。


2号蒸機です。元は鉄道省の123号で、簸上鉄道(現木次線)を経て加悦鉄道に入線しました。
明治6年、世界初の蒸気機関車メーカーである英国ロバート・スティーブンソン社製で、大阪～神戸間の鉄道開業用に輸入。日本の鉄道黎明期の貴重な車両であることから、引退後も社員や有志の手で大切に保管されていました。
重要文化財。


ハ4995号客車。明治26年鉄道庁新橋工場製です。下回りは後述するハ21に流用、車体のみで倉庫として使用されていましたが、復元に当たってハ20(国鉄4999)の下回りを利用して復元されました。
素人目にはハ21と下回りをりゃんこすればよかったように思えますが…。


1261号蒸機。大正12年日本車輌製で、簸上鉄道に導入され、同線の国鉄買収後の昭和18年にニッケル鉱石輸送用として譲受したもの。


荷物室付き緩急車のハブ3号。明治22年に九州鉄道がドイツから輸入した車両で、旧伊賀鉄道を経て入線。


C58-390とC57-189。2両とも旧国鉄から展示用として借用したとのことで、現在はJR西日本がオーナーなのでしょうか。


103号蒸機。米国H・K・ポーター社製です。
元は長門鉄道101号で、後に東レ滋賀工場に移籍して昭和39年まで使用。廃車後は宝塚ファミリーランドで保存されていました。従って、加悦鉄道とは無関係の車両です。


キハユニ51です。JR芸備線の前身芸備鉄道がキハユニ18として昭和11年に導入。芸備鉄道の国有化によってキハ40921となり、山口県の舟木鉄道で10年ほどの活躍を経て加悦鉄道には昭和37年に入線。


DC351。貨物列車の無縁化を目的に青森県の南部鉄道から昭和42年に譲受。


ハ10号客車。大正15年大阪梅鉢鉄工所製です。
伊賀鉄道が発注したものの注文流れとなって加悦鉄道開業用に導入されました。
車内は2等と3等に分かれていますが、どちらも同じようなロングシートで、この時代の等級分けは座席のグレードというより、身分ごとに乗客を区分けするものだったことが見て取れます。


ハ21。上記のハ4995が使用していた台枠と台車に北丹鉄道機関区で新製した車体を組み合わせて昭和10年に登場した客車です。


国鉄のラッセル式雪かき車のキ165号。加悦鉄道に入線したことはありませんが、昭和56年の廃車まで福知山から西舞鶴に一度転属したのみで、終始北近畿で使用されました。


4号蒸機。大正10年川崎造船所兵庫工場製で、河東鉄道(現長野電鉄)が導入し、加悦鉄道入線は昭和9年。貨客どちらにも使用されました。


昭和31年製の加藤製作所製小型ディーゼル機関車、通称カトー君です。山陽線万富駅のキリンビール専用線や岡山駅の専売公社専用線で使用された車両です。
後ろの無蓋貨車は、遠州鉄道ト404で、大正12年梅鉢鉄工所製です。加悦鉄道に多く在籍していたニッケル鉱石輸送用のト1形に酷似していることから展示されています。



DB202+ワブ3+ヨ2047。
DBは神奈川臨海鉄道で昭和59年まで使用された車両で、動態保存です。
ワブ3は大正5年に大阪梅鉢で無蓋車として新製された車両を昭和18年に有蓋化したものです。


ヨ2047。昭和12年製造で新製配置は福知山、後に西舞鶴に転属しました。
戦前の車掌車は保存例が少なく、特にヨ2000形式としては唯一の生き残りかもしれません。


キハ101。加悦鉄道開業10年記念として昭和11年に新製された車両で、片側ボギーの3軸車です。
動態保存。

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