保存車めぐりの記録

ようこそいらっしゃいました。 保存・放置鉄道車両巡りがメインのブログです。

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場所:新界大埔墟崇徳街13
交通:MTR東鉄線大埔墟駅、または太和駅から徒歩10分(両駅のほぼ中間にあります)
営業:10時~18時。火曜と旧正月の2日間は休館。無料。

香港の九龍半島、新界地区の大埔にある鉄道博物館です。

香港と中国本土を結ぶ鉄道として、香港の鉄道ではもっとも長い歴史がある九広鉄路(九龍広東鉄路)の歴史や車両を中心に展示されており、博物館自体も九広鉄道大埔墟駅の旧駅が利用されています。

◆大埔墟駅の旧駅舎と駅設備
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まずは入館口にもなっている駅舎内を見学します。駅務室には現役当時の設備がそのままに残されています。

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窓口回りには乗車券ケースや日付刻印機(ダッチングマシーン)など、少し形は違えど日本でもお馴染みの機器が見えます。

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こちらは通票閉塞器。日本で使われるものより小型で、どちらかというと連査閉塞器や双信閉塞器のように見えます。
解説によると、扱いとしては、、
1、閉そく区間の両駅でハンドルに付いたボタンを押すことで閉そくを施行。
2、ハンドルを回すことで通票を取り出す(上にあるふた開けて?)
3、通票をケースに入れて運転士に手渡す。
という感じだそうで、やり方としては日本と同じですね。

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こちらは信号テコと当時の写真。

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こちらは旧駅時代の大埔墟駅。今では駅は別の場所に移転して立派な高架駅となり、通勤電車が頻繁に発着しています。

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もう一方の元待合室と思われる部屋は展示室となっており、香港の鉄道の歴史を知ることができます。

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こちらは東鉄線と地下鉄の初代車両。
東鉄線の初代車両は黄色い顔にイギリスの影響を感じます。この車両は現在も現役ですが、更新修繕されて姿は大きく変わっています。しかし原型の1編成が車両基地に保管されているそうです。

◆九広鉄路(九龍広東鉄路)の歴代車両たち
駅舎を抜けると車両展示場があり、歴代車両が保存展示されています。

・九広鉄路(九龍広東鉄路)について
九広鉄路は、香港と中国本土を結ぶことを目的にイギリス側の働き掛けで建設された路線で、最初の区間が1910年に開業しました。
香港領内は現在東鉄線と呼ばれ、3、4分間隔で12両編成の電車が行き交う九龍半島の大動脈となっていますが、1983年の電化までは機関車が客車を牽き、運転本数も1時間1本程度と、今とは格段の違いがあったようです。
現在東鉄線は香港領内のみの通勤電車が主体ですが、そのあい合間を縫って、広州市など中国本土への直通列車も運転されています。

1990年:イギリス領内区間開通。
1991年:中国側開通、九龍~広州間全通。
1949年:中国の共産化により直通運転中止。
1979年:直通運転再開。
1982年:ホンハム(香港側ターミナル)~沙田間電化。
1983年:沙田~羅湖(香港側の境界駅)間電化。香港領内全線電化完成。

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1923年英国製のナローゲージ機関車です。
九広鉄路で使用されていた車両では無く、新界地区の粉嶺から沙頭角間を結んでいた支線で使用されていました。沙頭角支線は1928年に廃線となり、その後この車両はフィリピンの製糖工場で使用されたとのことです。

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軸配置は0-4-4。あまり例のない軸配置ではないでしょうか。

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電気式ディーゼル機関車の51号。
1955年オーストラリア製で、僚機の52号とともに香港で初めて導入されたディーゼル機関車です。1983年の電化までは旅客列車を牽き、その後は貨物列車に使用され、1997年に廃車となりました。
同型車の一部は事業用として現役で使用されています。

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1911年製の3等客車、302号車。古典的なオープンデッキの客車です。

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車内は3人掛けと2人掛けの座席が並びます。座席は木製ですが背もたれが動くので進行方向に向いて座れます。同様の座席は九龍と香港島を結ぶスターフェリーで今も見ることができます。

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1921年製の002号車。
緑一色の客車ばかりのなかでこの車両だけ赤一色となっています。説明板には"Engineering coach"とあったので、職員用車両ということでしょうか。

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車内は302号と同じく木製の転換クロスシートが並びますが、中央に扉と空きスペースがあります。荷物を積むための設備でしょうか。

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112号車。1964年製の頭等車(ファーストクラス)です。窓上の黄色い帯は頭等車を意味するもので、現在も東鉄線電車の頭等席部分には同様の帯が巻かれています。

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座席はクッションのきいた固定クロスシートで、硬い座席の一般車と違って快適です。ただエアコンはないようです。

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229号車。荷物室付き客車で、1955年製です。

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客室部分は一般席。やはり木製の転換クロスシートです。

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荷物室と車掌室。

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一般客車の276号車。1974年に大阪の近畿車両で製造されました。東鉄線の電車化が1983年ですから、稼働年数は10年程度であったと思われます。

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さすがに1970年代の車両だけあって、座席にはレザーのモケットが貼られ、蛍光灯なので車内も明るい印象です。座席や化粧板の色など、同時期の日本国鉄の車両に似ている部分が多くあります。

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デッキ部分を外から。14系や583系あたりによく似ていないでしょうか。

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もう1両、112号という一般客車があるのですが、この車両は整備中のため見ることはできませんでした。

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小さいながらも模型ジオラマがありました。

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スターフェリー乗り場や、かつての九龍駅の跡に現在も建つ時計塔などが再現されています。

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博物館としては決して大きくはありませんが、ほどよいボリュームの展示で香港の鉄道の歴史を良く知ることができます。

また、今では完全な通勤路線となった東鉄線が80年代というそれほど遠くない時代には客車がのんびり走るような路線だったという歴史は、日本国鉄のJR化後の急激な変化と印象が重なるようなところがあり、日本の鉄道ファンとしてはシンパシーを感じられるのではないかと思います。

香港に行かれた際には立ち寄られてはいかがでしょうか?
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