保存車とB級鉄道

ようこそいらっしゃいました。当ブログでは保存車や鉄道をフィーチャーしたマイナースポットを紹介していきたいと思います。 てっぱくやリニア館、SLみなかみ号などのメジャーどころについては他をあたってください。

国鉄末期に廃止となった広尾線。「愛国駅」や「幸福駅」ばかりが注目されがちですが、内陸に位置する帯広にとって、広尾にある十勝港とを結ぶ海への連絡路として重要な路線でした。そんな広尾線の終着広尾駅跡が記念館として整備されているとのこと。

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広尾の市街に入りました。襟裳岬手前のえりも市街以来、久々のマトモな街に安心します。
市街を抜けかけると駅跡が見えてきました。駅を起点に碁盤目状に区画された街並みは北海道ならではです。

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駅舎はそのまま残され、バスの待合室と記念館を兼ねているようです。ローカル線の駅としては立派な駅舎と広い駅前広場、北海道は土地の使い方が贅沢です。

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線路は撤去されて駐車場になっていますが、ホームはそのままです。

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廃止時の到着時刻表がそのまま残されています。

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入口には繰り返しサーファーへの注意が。ラブアンドピースでリア充なサーファーの皆さんに鉄道遺産の価値はご理解いただけないようです。

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駅舎内の舟形ラッチや時刻表など。時刻表が消されているのはバスの時刻と混同されるからでしょうか。

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出札口は設備もそのままにバス乗車券売り場として活用されており、硬券のバス乗車券を売っています。広尾駅には様似からのJRバスも乗り入れていますが、売り場は広尾線の転換バスを運行している十勝バスが営業しています。

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出札口以外の事務室部分が「広尾町鉄道記念館」に。

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広尾線の歴史や鉄道部品が展示されており、廃止路線の記念館としては普通の内容です。
広尾駅と言えば宮脇俊三の「最長片道切符の旅」の始発駅で、それに関する展示を期待していたのですが、見当たりませんでした。

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こちらは、広尾線のジオラマ。84kmもの全線を3mくらいの長さに凝縮しているので、駅同士が異様に近くなっています。

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全駅の駅舎が再現されていますが、帯広だけはこんな状態。帯広が高架化されて実体と違うために外されたのでしょうか。

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特にオチのない普通の記念館かと思いきや、タコ部屋の展示が。北海道の鉄道史でこれは外せません。
タコ部屋とは当初は囚人を、後には主に手配師の「楽な仕事だから」などの甘言に乗せられた労働者を長期間に渡って人里離れた土地に隔離して過酷な労働を課し、逃走者や反抗する者などへの見せしめの暴行、時には殺人も行われたというもので、日本の人権史上の汚点。
北海道は、開拓が急速に進展した時代はまだ人権意識や法整備が未熟であったことと、人里離れた土地での労働が多いという地理的条件から、多くのタコ部屋が存在したのです。

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広尾線建設の際実際に存在したタコ部屋の構造図。倉庫のような粗末な建屋に雑魚寝するという過酷な生活がよくわかり、なかなかエグいものがあります。
タコ部屋労働は郷土史上の汚点で、あまり語りたくはないはず。隠さず表に出す町の姿勢には敬意を覚えます。

北海道のタコ部屋の極例としては石北線の常紋トンネルが有名。過酷な労働と自然環境に晒され、リンチされたり凍死したり熊に食われたりして多くの労務者が死に、その過酷さは「監獄の方がまだいい」といった言葉に表れています。昭和45年の補修の際にはトンネル内壁から人柱と思われる人骨が発見されており、それ以来乗務員や保線職員の間で「幽霊が出るトンネル」などと言われました。
北海道での囚人労働やタコ部屋の過酷さについては、吉村昭著「赤い人」や小池喜孝著「常紋トンネル」が詳しいので、ぜひどうぞ。

所在地:北海道広尾郡広尾町丸山通り北2丁目。
交通:帯広駅から十勝バス広尾行にて「広尾」下車。様似駅からJRバス広尾行にて「広尾駅」下車。
記念館:4月~10月は9時~17時、11月~3月は9時~16:30。元旦休み。

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